のどの癌(咽頭癌・喉頭癌)
癌は全身至る場所にできますが、時折口~喉に出来ることもあり、「頭頚部癌」という総称で呼ばれています。
特に喉の癌は「発声」や「飲み込み(嚥下)」といった、生きていくうえで非常に重要な身体機能に大きく関与します。
喉頭癌
声を出す部分を「喉頭」といいますが、喉頭の役割として
- 食べ物と、息を分離する場所
- 声を出す場所
と大きく2つの役割があります。
その為、癌ができた場合は「飲み込みにくい」「声がれ(嗄声)」が初期症状として出現します。
治療としては放射線治療や手術がありますが、もし進行癌で手術をする場合は喉を取らないといけない可能性が高くなります。
その為、初期段階で発見することが治療後の生活の質に大きく影響します。
咽頭癌
咽頭は、口から食道までのつなぎ目で大きく「上咽頭」「中咽頭」「下咽頭」に分かれます。
それぞれの場所に癌は出来ますが、いずれも原因が異なります。
- 上咽頭癌:喫煙、酒、EBウイルスなど
- 中咽頭癌:ヒトパピローマウイルス、喫煙、酒
- 下咽頭癌:喫煙、酒、鉄欠乏症など
上咽頭癌は中年以上の男性に出来やすい癌で、上頭癌の中では最も発見しにくい癌です。
原因としては、EBウイルスという特殊なウイルス感染によっても出来てしまうという特徴があります。
中・下咽頭癌は喫煙・飲酒によって出来る癌ですが、最近中咽頭癌の新しい原因として「ヒトパピローマウイルス」の感染によって出来ると言われています。
ヒトパピローマウイルスは性行為によって感染するウイルスといわれています。
その為、元々喫煙・飲酒によって出来る癌であったため男性に多く発生していたのですが、最近では女性にも発見されることが多くなっています。
それぞれの癌の治療としては初期であれば放射線治療と抗がん剤を使用した化学療法を単体/組み合わせて行う治療も可能です。
また最近では内視鏡手術で切除することも可能となっています。
しかし進行してしまうと、手術でしか根治を目指すことが出来なくなってしまう状態になってしまします。
咽頭は切除する際に喉頭も一緒に切除しなければいけない可能性も高い為、飲み込みづらくなるだけではなく、声を失ってしまう可能性もあります。
いずれにしても、癌治療は初期段階に発見することが大切といえます。