花粉症(アレルギー性鼻炎)
日本人の約半数が罹っている疾患といっても過言ではありません。
子供も2歳前後から罹ることが多くみられるようになってきており、大人から子供まで幅広くかかる病気となっています。
アレルギー性鼻炎は、アレルギーの中でもⅠ型アレルギーという部類の機序で、一度マスト細胞と特異的IgE抗体がくっついてしまうと、抗原(花粉等)が体の中に入ってくるたびに過剰な反応を起こしてしまうことで生じます。
またアレルギー性鼻炎は、主に花粉症と言われる季節性アレルギーと、ダニ・ハウスダストといった通年性アレルギーに分類されます。
どちらも治療法としては、まずは抗ヒスタミン薬やロイコトリエン拮抗薬を用いて内服コントロールを行いますが、鼻粘膜の状況や症状の重症度が高ければステロイド点鼻薬を追加使用してより治療強度を強化します。
【治療】
治療薬は「抗ヒスタミン薬」というアレルギーを抑える薬をメインに使用します。
軽症の方は飲み薬1種類で症状を抑えられますが、中度~高度のアレルギーの方は「ロイコトリエン拮抗薬」や「ステロイド点鼻薬」を使用しないと症状を抑えられない方が多くいらっしゃいます。
よく「薬が効かない」とおっしゃる方がいらっしゃいますが、ほとんどは薬局や内科で鼻の粘膜を見ずに処方されている方が多いのが現状です。中には副鼻腔炎があり、細菌性の炎症により改善していない方もいらっしゃいます。
耳鼻科では鼻の粘膜を確認してから治療薬を選択しますので、花粉症の際はぜひ耳鼻科にいらっしゃってください。
*当院で使用している説明です。お時間ある際にご覧ください。
【子供の治療】
子供も最近は環境の変化により2~4歳でかかる子が多くなっています。
遺伝 × 環境
また「アレルギーマーチ」といい、アトピーや喘息などのアレルギーがあると多くのアレルギー疾患にかかってしまう子も増えています。
今ではスギ花粉は46%、ダニも同様の子が罹患しているといわれており、他の鼻炎疾患も含めると半数以上の子が鼻づまりに困っているといえます。
治療薬は大人同様の薬を使用しますが、粉薬からシロップまで存在して体に悪くない薬も多い為、子供から使用できるものがほとんどとなっています。
よくある質問にステロイド点鼻薬を使用しても大丈夫か?というものがありますが、ステロイド点鼻薬は体への吸収もほぼなく問題ありませんのでご安心ください。*内服・吸入は体への影響があるため注意です。
また最近では根治を目指す「舌下免疫療法」も治療選択の一部となっています。
これは日々少しずつアレルギー性物質を体に取り込むことで、体を慣らすという治療法です。
殆ど副作用もなくお勧めですので、気になる方はお聞きください。
*只今出荷制限により、スギ花粉の舌下免疫療法は、新規患者様の開始ができない状況となっています。
ご希望の方は、業者より配給され次第優先的に開始いたしますのでお気軽に予約ください。