橋本病
橋本病とは
橋本病は、甲状腺に慢性的な炎症が起こる病気です。
甲状腺は、のどぼとけ下にあり気管に付着している蝶々のような形をした臓器で、甲状腺ホルモンを分泌しています。甲状腺ホルモンは体の臓器を元気に働かせる作用があります。
橋本病になると、甲状腺に炎症が起こり、甲状腺ホルモンの分泌が減少します。そのため体の様々な臓器の動きが止まってしまい、重篤な症状が出てしまいます。
しかしほとんどの人は、最初は症状があまりでない「潜在性慢性甲状腺炎」という状態であるため、気が付いたら徐々に重篤な症状が出ていることが多くみられます。
この潜在性慢性甲状腺炎は若年者でも生じます。特に日本では、とても困ったことに不妊(不育)で悩まれている方の9%はこの病気であるという研究結果がでています。その為、若い女性は一度は検査をしておくべきといえます。
橋本病の症状について
橋本病の症状は以下のとおりです。
- 疲れやすさ
- だるさ
- 体重増加
- 寒がり
- 便秘
- 動悸
- 息切れ
- 集中力低下
- うつ
これらの症状は、人によって現れる症状や程度が異なります。
橋本病の原因について
橋本病の原因は、まだ完全には解明されていませんが、自己免疫疾患の一種と考えられています。自己免疫疾患とは、自分の免疫システムが自分の体を攻撃してしまう病気です。
橋本病では、甲状腺を攻撃する自己抗体が産生されます。この自己抗体が甲状腺を刺激することで、甲状腺に炎症が起こり、甲状腺ホルモンの分泌が減少します。
橋本病の治療法
橋本病の治療法は、甲状腺ホルモンの補充療法です。甲状腺ホルモンの補充療法を行うことで、甲状腺機能低下症の症状を改善することができます。
甲状腺ホルモンの補充療法では、チロキシン(T4)という薬剤が使用されます。チロキシンは、甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンの一種です。
チロキシンの服用量は、血液検査で甲状腺ホルモンの量を測定して調整していきます。
まとめ
橋本病は、早期発見と治療により、ほとんどの場合治癒します。しかし、放置すると、心臓病や骨粗しょう症などの合併症を引き起こす可能性があります。
また妊娠にも大きく影響を及ぼす為、甲状腺が気になる方は早めに検査をお勧めします。
日常生活で気を付けること
橋本病の治療中は、以下のことに気を付けると、症状の改善に役立ちます。
- バランスの良い食事を心がけましょう。
- 適度な運動をしましょう。
- 十分な睡眠をとりましょう。
- ストレスを溜め込まないようにしましょう。