子供の咳・のどの痛み
子供の咳・のどの痛みは、風邪やインフルエンザなどのウイルス性感染症が原因で起こることが多いものです。また、細菌感染やアレルギー、異物の誤飲などでも起こることがあります。
子供の咳・のどの痛みの概要
子供が咳・のどの痛みを訴える場合は、以下のような症状もみられます。
- 発熱
- 鼻水
- 痰
- 声がかすれる
- 呼吸困難
咳は、大きく分けて「乾いた咳」と「痰のからんだ咳」の2種類があります。
乾いた咳は、のどの粘膜が刺激されて起こることがあります。これは咽頭~喉頭、気管支の炎症により過敏性が上昇することにより生じます。
痰のからんだ咳は、多くは鼻腔~副鼻腔に鼻汁が多く産生され喉頭に垂れ込むことにより生じます。
のどの痛みは、のどの粘膜が炎症を起こして腫れることで起こります。これは乾燥によっても生じますが、多くは粘膜のバリア機能が失われることでウイルス・細菌に感染して強い炎症が起きることで生じます。
発熱は、感染により炎症が起こったことで、ホルモン・自律神経の体温調節機能が乱れて起こります。
鼻水は、鼻の粘膜が炎症を起こして起こります。
痰は、気管支の粘膜から分泌された粘液と、そこに混ざった細菌やウイルスなどの異物が固まったものです。
声がかすれるのは、声帯が炎症を起こして腫れることで起こります。
呼吸困難は、気管支が狭窄したり、痰が絡まったりして呼吸が苦しくなることで起こります。
原因疾患の種類
子供の咳・のどの痛みを引き起こす原因疾患は、大きく分けて以下の3つに分けられます。
- ウイルス性感染症
- 細菌性感染症
- アレルギー
ウイルス性感染症
ウイルス性感染症は、風邪やインフルエンザ、咽頭結膜熱、RSウイルス感染症など、さまざまな種類があります。ウイルス性感染症による咳・のどの痛みは多くの場合自然に治りますが、そこからのどや副鼻腔に細菌感染を起こしたり、炎症が強く長引く咳(遷延性・慢性咳嗽)を併発するケースも多くみられます。
細菌性感染症
細菌性感染症は、扁桃炎や咽頭炎、肺炎などがあります。
細菌性感染症による咳・のどの痛みは、抗生物質の服用で治療しますが、中には特殊な細菌性疾患もあり専門医の診察が必要になります。
アレルギー
アレルギーは、ハウスダストや花粉、ペットの毛などによるアレルギー反応で咳・のどの痛みが起こります。アレルギーによる咳・のどの痛みは、抗アレルギー薬の服用や、アレルギーの原因となる物質を避けることで治療します。
それぞれの治療法
ウイルス性感染症
ウイルス性感染症による咳・のどの痛みは、基本的には自然に治ります。ただし、発熱や咳がひどい場合は、解熱剤や鎮咳薬を服用することがあります。
また咽頭~喉頭にウイルスが感染すると、細菌も同時に感染することがあります(混合感染)。その場合、抗生剤も使用して治療致します。
細菌性感染症
細菌性感染症による咳・のどの痛みは、抗生物質の服用で治療します。喉には様々な細菌が存在しますので、症状をみて細菌を想定し、適切な抗生物質を投与します。
アレルギー
アレルギーによる咳・のどの痛みは、抗アレルギー薬の服用や、アレルギーの原因となる物質を避けることで治療します。
アレルギーの原因は、採血で特定することが可能です。
耳鼻科を受診する目安
子供の咳・のどの痛みが生じた場合は、早期に耳鼻科で診察・処置することで症状が比較的早く治り、合併症を防ぐことができます。
- 鼻汁を吸引することで、副鼻腔を合併するのを防げる
- 中耳炎を併発することが多く、早期発見 治療ができる。
しかし、下記の症状が見られた場合は怖い病気が隠れていることがありますので、小児科を受診することをお勧めします。
小児科を受診する目安
- ゼイゼイとした咳がでる
- 発熱や呼吸困難などの症状がひどい
- 嘔吐や下痢などの症状がみられる
- 乾いた咳が3週間以上続く
また、乳幼児や低体温の子供は、咳やのどの痛みがあっても、症状がわかりにくいことがあります。そのため、少しでも気になる症状がある場合は、早めに病院を受診しましょう。
予防
子供の咳・のどの痛みを予防するためには、以下のことに気を付けましょう。
- 手洗い・うがいをこまめに行う
- マスクを着用する
- 人混みを避ける
- 十分な睡眠と栄養をとる