口腔内病変
口内炎
口内炎は子供から大人まで多くの方に生じる病気です。
大人と違う点として、子供の場合はほとんどが「ウイルス性疾患」から生じます。
また口腔粘膜所見だけではウイルス特定することは難しく、ワクチン接種歴・周囲の発生状況・他所見・検査より総合的に判断し治療を決定します。
手足口病(コクサッキー/エンテロウイルス)
エンテロウイルス感染症。
軟口蓋以外の、舌表面や口唇粘膜にアフタを認める。
夏に流行し、ほとんどが5歳以下の子供が感染します。
*一番多い年齢が2歳以下です。
発熱はなく、口腔粘膜と手足に水泡が生じ、咽頭痛はないかあっても軽度の事が多いです。
ほとんどは自然治癒しますが、水泡が破れた後に感染しないように注意することが大事です。
ヘルパンギーナ:夏風邪(コクサッキー/エンテロウイルス)
夏に流行し、殆どが4歳以下の子供が感染します。
*一番多い年齢が2歳以下です。
手足口病と同じウイルスにより生じ、口腔内に水泡を形成しますが、大きな違いは40度近い発熱と咽頭痛です。また水泡は破れた後に潰瘍形成し疼痛を生じます。
その為、食事が十分に摂れなかったり熱性けいれんが生じる可能性があるため注意が必要となります。
-
夏のウイルス感染症の代表的な、エンテロウイルス感染症。
軟口蓋に左右対称に小水疱を認める典型例。
- 前例と異なり軟口蓋に多数のアフタを認めるものもある。
鵞口瘡
口の中で白いはがれないカスがついていると思った場合、真菌(カビ)に感染していることがあります。これは「鵞口瘡」と言い、免疫力の低い乳児に時折みられる病気です。
この疾患に罹患した場合は、抗真菌薬を使用し早めの改善を目指します。
その他
麻疹/風疹
風疹のときのフォルチハイマー斑といわれるもので、
溶連菌で認められるものと異なり点状出血様。
現在はワクチン接種義務化により少なくなりましたが、時折地域によっては流行する事があります。*麻疹はほぼありません。
これらに感染すると、皮疹が出現する1~2日前に口の中にコプリック斑という口内炎のようなものができることがあります。
PFAPA症候群
口内炎や頸部リンパ節腫脹、発熱を繰り返す場合は「PFAPA症候群」という珍しい病気の可能性があります。
幼児に多く、3~8週ごとに繰り返す上記症状が特徴です。
予後は良好ですが、免疫系疾患ですので免疫を抑えるステロイドなどの治療が必要になってきます。
ヘルペス
独特の円形小水疱、びらんが多発。
口腔ヘルペスは、比較的よく見られる感染症です。症状は、口唇~口腔内へ水ぶくれや発疹などの皮膚症状が現れます。感染経路は、主に接触感染です。一度感染してしまうと、完全に治癒することが難しく、免疫低下により再発します。
予防には、感染者の口や唇に触れないようにすることが大切です。
治療
口腔ヘルペスの治療には、抗ウイルス薬が用いられます。抗ウイルス薬を服用することで、症状の軽減や治癒を早めることができます。
突発性発疹
典型的咽頭初見。
軟口蓋の発赤を認める。
6ヶ月から1歳で、カタル症状の無い光熱で疑う。
川崎病
口唇は乾燥、真っ赤に充血し、亀裂や出血を認める。