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副鼻腔炎

副鼻腔炎(急性副鼻腔炎)とは、鼻の周りにある空洞(副鼻腔)に炎症が起こる病気です。副鼻腔は、鼻の奥にある4つの空洞で、鼻腔とつながっています。副鼻腔は、鼻腔とつながっているため、空気が行き来して、空気の通り道を広げ、鼻腔を温め、湿らせる役割をしています。

副鼻腔炎の症状

副鼻腔炎の症状は、以下のとおりです。

  • 鼻づまり
  • 鼻水(黄色や緑色のものが多い)
  • 頭痛
  • 顔面の痛み
  • 目の痛み
  • 発熱
  • 嗅覚障害

これらの症状は、風邪の症状と似ているため、見分けがつきにくい場合があります。しかし、風邪の症状は、数日で治まることが多いのに対し、副鼻腔炎の症状は、数週間以上続くことが多いという点で異なります。

また副鼻腔炎は発症してから長期間放置していると、鼻茸といわれるポリープを作成し「慢性副鼻腔炎」に移行する場合があります。

一度ポリープができてしまうと、症状も重症化することが多く、内服では治しきることが難しくなります。

副鼻腔炎の原因

副鼻腔炎の原因は、大きく分けて2つあります。

  • 細菌感染
  • アレルギー

細菌感染による副鼻腔炎は、風邪などのウイルス感染が原因で、副鼻腔の粘膜が傷つき、細菌が感染することで起こります。アレルギーによる副鼻腔炎は、花粉やハウスダストなどのアレルギー物質が原因で、副鼻腔の粘膜が腫れ、炎症が起こることで起こります。

副鼻腔炎の病気の種類

副鼻腔炎の病気の種類は、以下のとおりです。

  • 急性副鼻腔炎
  • 慢性副鼻腔炎

急性副鼻腔炎は、風邪などのウイルス感染が原因で、副鼻腔に炎症が起こる病気です。1~2週間で治ることもありますが、もともとアレルギー性鼻炎持ちの方や、鼻が湾曲している方、まだしっかり鼻汁を外に排出できないお子様は内服をして吸引をしないと慢性化する方もおり注意が必要です。

副鼻腔炎の検査法

副鼻腔は額にある前頭洞から、頬部にある上顎洞まで多く存在しますが、まず貯留するのは頬部にある上顎洞という場所です。

こちらから鼻腔に鼻汁を排泄する穴(自然孔)は鼻の奥にあるため、そちらから排出されている鼻汁を内視鏡で確認することが必要です。

また昔は内視鏡がないためレントゲンで診断することがメインでしたが、慢性化しないとレントゲンには映らないことも多く、現在ではしないことが多くなっています。(ガイドラインにも、判断基準としないと明記されています。)

副鼻腔炎の治療法

主に抗生物質を使用して治療します。また副鼻腔炎にはクラリスロマイシンという抗生物質を使用することが多くありますが、こちらは抗生物質の役割もありますが、主に貯留している鼻汁を排出する繊毛運動を促す作用が大きく使用いたします。

また、鼻づまりや鼻水を改善するために、点鼻薬や元々の鼻炎を治療する内服を行うことがあります。

副鼻腔炎の治療期間は、軽症であれば2週間程度で改善することもありますが、多くの方は排出することが難し方が多いので、内服が3-4週間近く必要な方が多くみられます。

慢性副鼻腔炎の場合、1-3か月の内服薬や点鼻薬などの治療を行いますが、効果がない場合、手術での根治治療が必要になることも多くあります。

手術では、副鼻腔の粘膜を切除したり、副鼻腔と鼻腔の自然口を広げたりすることで、副鼻腔内の膿や分泌物の排出を促します。

また慢性副鼻腔炎の中でも「好酸球性副鼻腔炎」という難病があり、手術や内服でも改善せず再発を繰り返す方がいます。その場合は定期的に特殊な注射(モノクローナル抗体)を投与することで改善を目指す場合があります。

副鼻腔炎の予防

副鼻腔炎の予防には、以下のことに気をつけましょう。

  • 風邪をひかないように、手洗いやうがいをこまめにする
  • 花粉やハウスダストなどのアレルギー物質を避ける
  • 鼻づまりや鼻水を放置しない

副鼻腔炎の症状が続く場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。

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