こどもに生じるめまい
概要
めまいとは、「周囲が回るように見える」「ふわふわする」など、平衡感覚が崩れる感覚です。大人だけでなく、こどもも時折めまいを起こすことがあります。こどもに生じるめまいの原因は様々で、軽度なものから重度なものまで、様々な原因がみられます。
症状
こどもに生じるめまいの症状は、大人と比べてわかりにくいことがあります。主な症状としては、以下のようなものが挙げられます。
- ふらつき
- 目まい
- 立ちくらみ
- 吐き気
- 嘔吐
- 耳鳴り
- 頭痛
これらの症状は、単独で生じることは少なく、多くは複数の症状が同時に現れることもあります。また、症状の程度もさまざまです。
原因・種類
こどもに生じるめまいの原因は、大きく分けて以下の3つに分けられます。
- 耳(内耳)・脳の異常
- 自律神経の異常
内耳の異常
内耳や異常があると、めまいなどの症状が現れることがあります。内耳は、バランス感覚や聴覚を司る器官です。内耳に異常があると、バランス感覚が乱れてめまいが起こります。脳に異常があると、脳のバランスを司る部分に影響が及んで、めまいが起こります。
内耳や脳の異常によるめまいの原因としては、以下のようなものが挙げられます。
*尚、脳によるめまいは非常に稀です。
- 小児良性発作性めまい
- メニエール病
- 前庭神経炎
- 頭部外傷
- 脳腫瘍
- てんかん
- 髄膜炎
- 脳血管奇形
自律神経の異常
自律神経は、心拍や呼吸、体温など、体のさまざまな機能をコントロールする神経です。こどもは大人と比較して自律神経が未発達であるため、血圧や心拍が乱れて、めまいが起こることがよくあります。
こどものめまいの原因のほとんどは、自律神経の乱れにより生じます。
自律神経の異常によるめまいの原因としては、以下のようなものが挙げられます。
- 起立性調節障害
- 貧血
- 低血圧
- 脱水
- ストレス
治療法
こどもに生じるめまいの治療法は、原因によって異なります。
内耳・脳の異常によるめまい
内耳・脳の異常によるめまいは、原因となっている病気の治療が中心となります。
自律神経の異常によるめまい
自律神経の異常によるめまいは、原因に合わせて以下のような治療が行われます。
- 起立性調節障害:生活習慣の改善や薬物療法
- 貧血:鉄剤などの薬物療法
- 低血圧:生活習慣の改善や薬物療法
- 脱水:水分補給
- ストレス:ストレス解消
まとめ
こどもに生じるめまいは、原因がさまざまです。めまいの症状がみられたら、まずは病院を受診して原因を調べることが大切です。
補足
難解な言葉の補足
「内耳」とは、耳の奥にある器官で、バランス感覚や聴覚を司ります。
「脳腫瘍」とは、脳にできる腫瘍です。
「てんかん」とは、脳の電気信号の異常によって起こる発作性の病気です。
「髄膜炎」とは、脳と脊髄を覆う髄膜に炎症が起こる病気です。